マービン・バウワーという人が、どういう人物なのか、1966年~1973年と77年~83年の二度にわたってマッキンゼーで働いたのち、1992年~2001年までアメリカン・エキスプレスの会長兼CEOを勤めた、ハーベイ・ゴルブ氏がマービンへ送った手紙から想像できると思うので、その内容をマッキンゼーをつくった男 マービン・バウワーから引用します。
2003年に99歳でマービンは亡くなられたので、その2年前に送られた手紙です。
影響を受けた人は誰かという質問をよくされますが、私がほんとうに深い影響を受けたのは二人しかいません。父と、そしてマービン、あなたです。スピーチをするときは、あなたのエピソードをよく話したものです。
(中略)
企業経営を成功させる秘訣がもし一つだけあるとしたら、それは、ライバル企業以上の人材を呼び込み、育て、定着させることであろうかと思います。それをするためには、企業自身が変化に俊敏に対応し、つねに魅力的でなければいけません。また、社員に当然の権利(報酬・福利厚生・職場環境)を保証し、やりがいのある刺激的な仕事を与え、よい上司が上にいることも必要です。
あなたはそのすべてをやり遂げ、私はそれを学びました。あなたが教えてくれたことに深く感謝し、あなたとともに働けたことを心から誇りに思います。
死ぬ間際には、その人の本当の価値が問われる、と言われますが、マービン・バウワーという人物は、コンサルティング能力、経営力だけではなく、人間性も優れていたという事が、この文面から伝わるのではないでしょうか。
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