開発のあいまに

基本的情動の普遍性

エクマンとフリーセン（Ekman, P. & Frisen）は、文化の異なる未開発地域（ニューギニアの原住民）でも、７つの情動の分類カテゴリー（幸福、驚き、恐れ、悲しみ、怒り、嫌悪、興味）は普遍的で共通に理解されることを証明し、人間の基本的情動の表現、情動知覚は文化を超えて共通であることを示した。

コミュニケーション・ネットワークのタイプと効果

社会心理学者のリーヴィット（Leavitt, H.J.）は、集団におけるコミュニケーション・ネットワークに関するさまざまな実験を行った。そして、５人の集団から形成されるサークル、チェイン、Ｙ、ウィールの４つのネットワーク・タイプを提示し、これらのコミュニケーション・ネットワークの効果などについて研究した。

図では、サークルからウィールへ、左から右へと移るほど中心となる人物が決まっており、階層的な組織となる。

　

サークルは全員が平等のポジションを占めるネットワークであり、右端のウィールは１人が中心となる階層的なネットワークである。

実験の結果、単純な仕事ではウィールが最も少ない活動量で誤りも少なく、最も早く仕事を達成できたが、メンバーの中には不満を感じるものが多かった。一方、複雑な仕事では、サークルが最も早く仕事を達成し、しかも新しい提案が頻繁に出され、それがメンバーに受け入れられ、メンバーの満足感も高かった。

階層的な関係は、単純な仕事を遂行するには適しているが、複雑な仕事や創造的な仕事の遂行には必ずしも適していないと言える。

なぜ個人の力を大きくしなければならないのか

一部の人に既得権が集中すると、大多数の人は疲弊して行き、社会全体の多様性が失われる。多様性が失われた世界では、対応できる危機が限られ、いずれは滅亡する。

個人の力を大きくすることで、既得権が集中しにくい状態になり、社会はより多様化していく。

明らかに世界は「良い場所」になっているよ

明らかに世界は「良い場所」になっているよ。これまでは大金を持った大きな組織の人達でなければできなかったことも、個人ができるんだから。

The world's clearly a better place. Individuals can now do things that only large groups of people with lots of money could do before.

スティーブ・ジョブス（Steve jobs）

ネットが負ける方に賭けるのは愚かだ

ネットが負ける方に賭けるのは愚かだ。なぜならそれは、人間の創意工夫と創造性の敗北に賭けることだから。

Betting against the net is foolish because you're betting against human ingenuity and creativity.

エリック・シュミット（Eric Schmidt）

あいまい性への対処

環境のあいまい性は、どんなに予測しても取り除くことは不可能。

あいまい性への最も積極的な対処方法は、環境変化を受身的に待つのではなく、自ら環境を創造（エナクトメント）すること。

競争戦略

競争戦略とは、企業戦略によって規定された個々の製品市場で、防御可能な地位を築き、競争相手に打ち勝つための方法をいう。

知能とは

知能とは目的に会わせて行動し、合理的に思考し、その環境を能率的に処理する、個人の総合的・全体的な能力である。

ウェクスラー（Wechsler, D）

コストと環境影響のトレードオフ関係

　　

Ⅰ、わずかなコスト増加で大きな環境影響の削減が果たせる。

Ⅱ、適当なコスト追加で効果的な環境影響低減効果が得られ
　る。

Ⅲ、環境影響が十分に小さいのに、さらに小さくしようとして大き
　なコストを投じる。

　　

受け入れられやすさに影響するリスクの特徴

受け入れられやすい	受け入れにくい
自発的に引き受けた	押し付けられた
自分でコントロールできる	他人によってコントロールされている
明確な利益がある	利益がほとんど／全くない
公平に分布している	不公平に分布している
自然	人工
統計的に発生が予想される	発生が不確実
信用できる対象から発生している	信用できない対象から発生している
よく見聞きしている	初めて耳にする
大人に影響を及ぼす	子供に影響を及ぼす